【沼津・添地町】立ち飲み寿司「ITA酒場」。職人とアーティスト、ふたりが営む店で、寿司1貫50円〜、赤酢の江戸前寿司や気軽な一品を、立ち飲みスタイルで堪能できる店。

ITA酒場はこんなお店
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ごちそうさまでした！
店舗情報
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ITA酒場はこんなお店

ITA酒場（イタ酒場）は、静岡県沼津市添地町のビル１階に構える立ち飲み寿司＆ギャラリー。住所は静岡県沼津市添地町136 山田ビル1F。元々は鎌倉在住だった寿司職人の「ケンチャン」氏と、立ち飲み屋出身でアーティスト活動もされている「ナオチャン」氏が、沼津の風情と人情に惹かれて移住し、2023年9月7日に開業されました。

店名の「ITA」は、店主ナオチャンがアートの活動名として使う“シュール作家 ITA”という表現とも連動しており、店内には彼女の作品やフィギュアのようなオブジェが随所に飾られています。店の広さは約6.5坪、カウンター立ち飲み形式で、最大で10〜15人ほどが肩を寄せ合って楽しめるこぢんまり空間です。理念としては、「気軽に寿司を味わってもらう」「地域に根ざした立ち飲み文化を育てたい」という思いが感じられ、赤酢を用いた江戸前風寿司を、立ち飲みというスタイルで手頃に提供することにこだわられています。

また、地元沼津の商店街や飲み屋街とも近接し、駅から徒歩圏内。立ち飲み店がまだ少ない沼津で、夕方から夜にかけて賑わいを生み出す存在になりつつあります。

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瓶ビール（ハートランド）

暑さも少し落ち着いた休日の夜、最初はキリッとしたハートランドの瓶ビールをお願いしました。喉を潤す炭酸と麦の風味が爽やかに広がります。立ち飲みカウンターに立つとすでに常連さんたちの会話がほどよく響いていて、いいムードづくり。グラスを傾けながら、これからの夜の可能性にワクワクします。

本日の１カン（イナダのヅケ／赤酢）

続いて、こちらの名物「本日の１カン」を。私たちが頼んだのはイナダのヅケ。シャリには赤酢が使われており、ほんのり甘みと酸味のバランスが良く、ヅケにしたイナダの身のすっきりした旨みと相性抜群。パクッとひと口で、お酒にもすっとなじむ。小ぶりなので、ちょこちょこ摘む楽しさがあります。

長いもワカメ

お寿司や魚だけではなく、箸休め的な一品も。長いもワカメはあっさりとした味わいながら、長いものシャキシャキ感とわかめの磯の風味が軽やかに口の中に広がります。酒のつまみとして絶妙な塩梅で、次の寿司への“準備運動”的な役割も兼ねる一品。

たぬき豆腐

次のアテに選んだのはたぬき豆腐。冷や奴に天かす、刻み海苔、揚げ玉、めんつゆがバランスよく乗っていて、一見シンプルながら、揚げ玉の香ばしさと刻み海苔の風味が口中を活気づけてくれます。冷たさと軽い塩味が、寿司の合間のお口直しにぴったりです。

生ビール（静岡麦酒）

次は地元感を味わおうと、静岡麦酒（生）を注文。口当たりが軽く、麦の香りとすっきりした後味が飲みやすくて、グイグイ進むタイプ。淡麗すぎず、それでいてしつこさがなく、寿司の合間に飲むにはちょうどいい存在感でした。

富士山サーモン握り（250円）

そして、この店でぜひ試してほしい一貫が富士山サーモンの握り（250円）。程よい脂・旨味を持つサーモンで、シャリとの相性も滑らか。250円という価格も驚異的で、寿司屋でこの値段で一貫頼める店はなかなかありません。ネタの質も十分で、安さだけでない満足感があります。

店内は、5〜6人並べば満席になってしまうこぢんまりした立ち飲みカウンター。目の前で寿司を握る様子が見え、店主との距離が近いのが心地よい。会話を交わしながら、寿司をつまみ酒を飲む時間はまるで知人宅で過ごすような居心地感があります。

アーティスト性の強いオブジェやフィギュアが壁や棚にちらほらと飾られており、独特の感性も感じられる。こうしたインテリアが店の空気にアクセントを添えてくれ、ただ飲むだけ以上に“体験”としての面白さを与えてくれます。予約不可、キャッシュオンスタイル（注文と支払いを都度行う方式）で、席料やチャージ料はありません。比較的早い時間でも混み合うことが多いので、訪問は余裕を持った時間を使うといいでしょう。

唯一のマイナスポイントを強いて挙げるなら、席数が限られており混雑しやすいこと。それとカード・電子決済には対応していないため、現金を用意しておく必要があります。ですが、それを差し引いても「ここでしか味わえない空気と寿司」がこの価格で楽しめることを考えれば、十二分に価値があります。

ごちそうさまでした！

ゆったり立ち飲みを楽しんで、合計金額も意外に控えめ。寿司の質と価格のバランス、店主・女将（アーティスト）の温かさ、店内の個性的な佇まい。すべてがこの夜を「また来たい」と思わせる力を持っていました。駅近でアクセスもよく、初めての人にも優しく門戸を開いた立ち飲み寿司屋──この店、ぜひあなたにも体験してほしい、そんな気持ちでいっぱいです。